競輪場近くにお住まいの方に限らず、向日町競輪場をご存知の方であれば、最寄りの駅から、主な道路から競輪場に行くためには、細くて狭い不便な道路を通らなければならないことは周知の事実です。
地図で見れば一目瞭然。主な道路は府道で、長年「整備」に取り組まれていますが、遅々として進まず、部分部分で広がって来ている状況です。競輪場の再整備、「アリーナ」の建設(2028年度)までに道路が拡幅・整備される見通しはまったくありません。京都府主催の「住民説明会」において、会場からの質問に対して、府土木事務所の担当者が認めています。
競輪場の「余剰地」とされる部分の「ゾーニング」と言われるものも、極めてアバウトでイメージが何もわかない説明で終わりました。「余剰地」に「アリーナ」を建てた後の「余剰地」など、あるのでしょうか?
8,000人規模の「アリーナ」と名付ける巨大スポーツ観戦施設。大会やイベント当日には、どんな自体が生じるのか? 「車での来場を想定していない」という人もおられるようですが、全国のプロリーグが拠点とするアリーナを見れば、広い周辺道路と広大な駐車場が当たり前に整備されています。
総合的に見て、向日町競輪場余剰地に「アリーナ」を建設することは、幻想でしかないと思えます。
他の5,000人以上を収容するアリーナはこんな感じ。
当たり前ですが、5,000人以上を収容する施設には、さまざまな意味でゆとりがあります。そして広くて多機能、立地やアクセスもしっかりと検討されています。
敷地ギリギリに建てられている「アリーナ」は、少なくともネット上では見かけません。
沖縄、佐賀、横浜あたりが、最近のもので、特に参考になるかと思います。
道路だけの問題ではなく、周辺住民の生活に大きな影響が。
仮に「アリーナ」がオープンされ、イベントなどが回されるとなれば、関係者の車両だけでも、バスやトラックなど大型車両が数台以上は施設に入ります。一般車両も相当台数が集まることは必至でしょう。当然ながら、狭く入り組んだ周辺道路の渋滞は避けられません。
競輪場は車券のネット販売やミッドナイト競輪などで来場者数こそ減っているものの、「アリーナ」に来られる方はリアルな観戦・参加となります。そもそも、大量動員を目的とした施設です。
最寄りの駅である阪急東向日、JR向日町駅からは、シャトルバス利用もしくは徒歩となるでしょうが、府道向日町停車場線(西国街道)の狭さ、歩道の狭さと歩きにくさは、みなさんご存知の通りです。数十年前の競輪場全盛期の混雑ぶりを思い出される方も多くおられます。
「周辺の店が賑わう」と思われている方も多くおられます。が、途中の経路に過ぎませんし、大会やイベントが開催される回数は、一月に何回あるのでしょうか? わずか数回程度のためにお店を、販売する商品を用意しておかれるでしょうか? 途中の経路なので、来場者が立ち寄られたとしてもその時間帯も極めて限られます。
関係車両やシャトルバスなどによる道路の渋滞は充分に予測できます。途中の経路が渋滞を生じさせる時間帯は、多くが午後、それも夕方と夜です。
競輪場の近くだけでなく、阪急バスやコミュニティバスを利用される方、車や自転車、徒歩で周辺道路を利用される方は、心配される渋滞に巻き込まれてしまうでしょう。こどもたちや、高齢者のデイサービスなどの「帰り」の時間帯とも重なります。救急車や消防車の出動などが必要になったら…? 不安ばかりなのに、誘致に名乗りを上げた向日市も、設置の方向を決めた京都府も、何も答えようとしていません。
工事中も道路渋滞の問題などが。
今、向日台団地の一部建て工事が進んでいます。競輪場の部分解体も始まっています。今後、競輪場の再整備と「アリーナ」建設工事が始まり、二つの大規模工事が並行して行われて行くことになります。
一体、どれくらいの工事車両などによる交通渋滞や住環境への影響が続くのでしょうか? 誰にもわかりませんが、確実に生じる問題です。
「アリーナ」の要・不要、どんな施設になれば良いか?の論議も大切ですが、道路渋滞をはじめとした住民生活にどんな影響が出るのか、どんな対策をしていくのかなど、私たち住民・市民には知る権利があります。
市民・住民との対話・論議を今からでも充分に行うべき。
京都府が開催した2回に分けた住民説明会は、「考えの表明」に終始し、何ら具体的なビジョンを示すことも、質問に答えることはありませんでした。
向日市もLINE公式登録者と無作為抽出の2,000人にアンケートを取ったとしていますが、「どんな設備をのぞむか?」というアンケートで、未だにその集計の発表は予定すら聞かれません。
「要望は府に伝えた」と市議会で市長は答弁をしていますが、内容は先の府主催の住民説明会で出た意見や疑問をまとめて編集したものと言えます。そもそも、他に住民・市民の声を聞く機会はありませんでしたから。
令和6年度京都アリーナ(仮称)に関する要望書(PDF:845.4KB)
誘致を求め、積極的に建設へ舵を取ろうとしている向日市は、まず先に住民・市民の声を聞くべきではなかったでしょうか?
今からでも遅くありません。声を聞き、充分に論議する場を、向日市はつくるべきです。
「向日町競輪場再整備とアリーナ問題を考える会」が取り組んでいる「緊急署名」をご紹介します。
お読みいただき、ご協力をお願いしたいと思います。
「向日町競輪場再整備とアリーナ問題を考える会」 https://arena-issue.main.jp
オンライン署名はこちら↓
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